「不自由な生活のススメ」
仕事でスローフード協会のWebサイトを制作している。協会のパーティにも出席させていただき三國シェフが作る豆腐フルコースなどを堪能した。
そもそもスローフード運動は今から15年程前、ローマにマクドナルドの1号店が出来たのをきっかけに始まったと聞く。ファーストフード的な便利さとは違った、不自由な贅沢を楽しむ心のゆとりを持とうじゃないか。一種「粋」の追求だ。食に限らず、そういった意識を持って生活を送ること。それがスローフード的。と、僕は勝手に理解している。
では、便利なモノに囲まれた生活に慣れきってしまった今のような状況で、どうしたらスローフード的な、ある意味面
倒な暮らしを実践出来るのか?
例えば、文字通り「便利」が売りなコンビニには決して行かない。急行には乗らず各駅停車で座って通
勤。急行に追い抜かれると、その度に負けたような気分にさせられてしまうが、そのイライラをスローフードな気持ちで克服。Gパンのチャックはジッパーではなくボタン。漏れそうな時、あれほどもどかしいものはない。靴はヒモ靴で。蝶々結びが苦手な僕はすぐにヒモがほどけてしまうのだが、そこはあえてヒモ靴で。家電のリモコンは一切使わない。エアコンはちょっと厄介だが、いちいち椅子を持っていき温度調節するスローフードな心掛け。携帯電話には誰の番号もメモリーしない。いっそ携帯電話は持たない。デジカメとかは使わずにデッサンで風景を描写
。ビデオの録画予約はしない。バーコード予約なんてもってのほかだ。撮りたい番組があったらその時間までに帰宅し録画。ATMは使わずに常に窓口で入出金。銀行印を忘れてわざわざ取りに帰ったり。Suicaは毎回定期入れから出してタッチ・アンド・ゴー。メール交換は伝書鳩を飛ばして……。
確かに不自由だ。でも、スローフード的な生活の実践者というよりも、これでは単なる変わり者ですね。
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