すみましん/ラブソング


2010/08/25 水 14:29
ある街の飲食店街に4軒が軒をつられて店を構えている場所がある。何十年もずっとその場所でやってきた古いお店たちだ。ある時、そのうちの1軒がテレビで取り上げられた。おばあちゃんが1人で切り盛りしている焼肉屋で、こだわり抜いた最高のお肉を安く食べられる、と話題になった。テレビ効果で連日たくさんのお客さんが訪れるようになり、今では予約しないと入れないほどの人気店になっている。

先日、そのお店に入れずに隣りのお店に入った。隣りのお店も年配の女性が1人で切り盛りしていて、料理もお酒も安くておいしい。僕はすっかりそのお店が気に入ったので、おばさんとしばらくお話しをした。ここ数年の不景気話からちょっとしたおばさんの半生まで。軒を連ねる4軒はみんな同じ大家さんだ、という話題に話が及んだ時、隣りの、今や繁盛店の話を振ってみた。長い間お隣同士でやって来たのだから、きっと繁盛して喜んでいるのだろう。相乗効果も期待出来る。

「隣りの焼肉屋さんはすっかり人気店ですね」

僕がそう言うとおばさんの顔が少し曇った。触れちゃいけない話題だったのかもしれない。しばらくして、おばさんはポツリとこう言った。

「でも、あそこは肉のハナマサで肉買ってるけどね」

何十年とお隣り同士でやっていると、きっと色々なことがあるのだ。
 
 

2010/08/20 金 19:34
今から11年前、デジタルビイムを外苑前の細長いビルの9階で立ち上げた。僕が入る前の前に野村沙知代さんがオフィスとして使用していた部屋で、神宮球場を一望できた。そんなロケーションだったので、毎年夏に行われる神宮外苑花火大会を特等席で見ることが出来た。

その後、麻布十番にオフィスを移し、夏の楽しみが神宮の花火大会から麻布十番祭りに変わった。オフィスから坂を下って十番祭りに合流して酒を飲む。アントニオ猪木さんが店を出していた時もあって、その時は猪木さんから「イノ記」という日記帳をもらった。

それから五反田を経て今は渋谷。夏の楽しみが全くなくなってしまった。

昨日、渋谷のオフィスで仕事をしていたら神宮外苑花火大会の音だけが聞こえた。なんだか切なかったので神宮外苑花火大会の音だけを生中継してみた。http://www.ustream.tv/recorded/9017002

今日はラジオで今日から始まった十番祭りの特集をやっていて、やっぱり切ない。

2日連続で切ないのだ。

今はただ、「雨が降ればいいのに」と僕の心の中の悪魔がつぶやき続けています。
 
 

2010/08/05 木 15:02
また免許を失効してしまった。これで2回連続だ。誕生日の前後1ヶ月は猶予があるが、僕の誕生日は1月15日なので猶予期間から6ヶ月近く過ぎている。6ヶ月を過ぎると失効手続きでは再発行されず、仮免許の段階まで戻ってしまうらしい。免許をとって22年。今さら仮免許に戻って試験を受け直すのは大変である。8月15日になる前に鮫洲まで行った。

そもそも、なんで2回も連続で失効しているかというと、ここ10年1つの場所に3年以上住んだことがなく、免許更新のお知らせハガキが届かないのだ。引っ越しが悪い。

そして鮫洲。失効者は初回更新者用の講習を2時間受けなくてはならない。「初回更新講習」というのは、免許を取って初めての人たちが受ける講習である。つまり、僕以外のほとんどが20代前半だ。若い人たちに混ざる40才の失効者。2時間の講習だけでも辛いのに、若い人たちに混ざる感じが辛さに拍車をかける。講習の先生が「ほとんどが初回更新の人たちということで、皆さんの若さが眩しいくらいです」とか言っている。その中で僕は明らかに眩しくない訳で、なるべく顔を伏せて2時間をやり過ごした。

講習が終わり新しい免許を受け取って、次こそは期限内にちゃんと更新しようと心に誓う。多分、3年前も鮫洲で誓ったと思うけど今回はちゃんと肝に銘じた。次の更新は平成25年2月15日まで。それを逃すと今度は43才で若者に混ざることになる。なんとしてもそれだけは避けなくてはならない。

という備忘録でした。
 
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写真は講習教材の「心肺蘇生の手順」反応を確認する、の図。
 
 

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