スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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巣鴨と言えば、おじいちゃんおばあちゃんで賑わう街として有名だ。以前、何回か遊びに行ったことがあって、ご年配の皆さまのパワーに圧倒された記憶があ る。普段から仕事で疲れてしまっている僕なんかより断然元気だ。僕も年を取ったら巣鴨でブイブイ言わすような老人になりたい。そんな風に思った。

そんな、巣鴨のおじいちゃんおばあちゃんたち。元気の源はどこにあるのか?
巣鴨の街を歩きながら考えて、ある結論に辿り着いた。

赤だ。

なんだか赤い物が多いように感じたのだ。巣鴨で赤い物をゲットすると元気になれるに違いない。中でも代表的な名物が、「赤いパンツ」である。「マルジ」というお店が有名で、そこのホームページを見ると「幸福の赤い力」として、赤いパンツの効能を説明していた。

「へその真下3〜4センチのところにあるのが丹田(たんでん)のツボです。このツボに手を当てているだけで、なんだか体があたたまってきます。 〜中略〜 赤いパンツをはくことにより丹田に力をいれるのと同じ効果が得られます」

なるほど。やはり、元気の源は「赤」にあるのだ。

よし、巣鴨に行って全身を赤くしてしまおう。


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【巣鴨は平日も大賑わい】

というわけで、巣鴨の街にやって来た。平日の昼下がり、それほど混んでいないだろうと踏んでいたのだが、大きな間違いだった。とげぬき地蔵へと続く「巣鴨 地蔵通商店街」は大変な混雑だった。混み具合は、ほぼ渋谷のセンター街と変わらない。ただ、歩く人たちの年齢が渋谷よりもグッと高い。平均年齢で50才以 上は違うと思う。

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CDショップは綾小路きみまろさん推し

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信用金庫に「おもてなし処」ののれん

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ビル全体を使って振り込め詐欺撲滅をアピール

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地蔵通商店街入口

商店街の入口からご年配パワーがひしひしと伝わってくる。いきなり気後れしそうになるが、今日の僕はひと味違う。ここ、巣鴨地蔵通商店街で真っ赤になって元気を取り戻すのだ。

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これから赤くなっていきます

商店街の入口から近い場所に、多くのお客さんで賑わうお店を見つけた。「10円」とか「60円」とか、激安をアピールする値札が店頭にぶら下がっ ている。デフレスパイラルなんて関係ない、そんな力強さを感じる値札である。ご年配の皆さんの間を縫って店内に入ると、いきなり赤いズボンを見つけた。

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激安ショップ

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赤いズボン発見

値段はなんと、驚きの350円。ウエストサイズは60センチ、僕のウエストより10センチ細いが何とかなるだろう。迷わずにゲットした。

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赤いズボンゲット!

まず、赤いズボンを身に着けた。ウエストが入りきらなかったので、チャックが半分くらい開いているが、何とかなる。

引き続き、赤いものを探していく。

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赤飯

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赤い放置自転車

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赤い店名

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アウトレッド?

アウトレッド。恐らくアウトレットのことを言っているのだと思う。間違いではあるが、今日の僕にはうってつけの看板である。レットじゃなくてレッド。

と、関係のない赤いものしか見つからない。

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店員さんの帽子が赤い

いなごを売る店員さんの帽子が赤いが、多分、あれは売ってくれない。

ここで、冒頭で触れた「マルジ」さんの登場である。
赤パンツの元祖「マルジ」さんなら、赤い商品を多数取り揃えているはずだ。

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赤パンツの元祖「マルジ」

もう、赤いものしか見当たらない。
僕が身につけられそうなものを探す。

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これは女性物

しかし、男性用の赤い物が置いてないのだ。赤の効能は主に女性向けなのだろうか?

店内を隈無く物色して、とりあえず赤い手袋とマフラーをゲットした。

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赤いマフラーと手袋をゲット!

徐々に赤くなってきた。

この調子でどんどん行きます。


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【露店が熱いぞ】

しばらく商店街を歩いて気づいた。食べ物を売る露店の他に、洋服や鞄などを売る露店が結構多いのだ。そして、露店の方が値段も安い。

よし、露店狙いで行こう。

と決めたすぐ後に、露店で赤い帽子を見つけた。

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この露店で

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赤い帽子を

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ゲット

女性物だと思う。サイズやデザインからしても明らかだったのだが、この際贅沢は言ってられない。この帽子を採用する。

更にお隣りの露店で、赤い鞄を見つけた。
アディダスの鞄である。

「いくらですか?」

と聞くと、500円で良いと言ってくれて、アディダスの鞄に何やら他の商品を詰め始めた。

「洋服入れておくから、使って」

と、ジャージやらスカートやらをサービスしてくれた。

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赤い鞄にサービス商品一杯

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良かったわね、と隣りのおばちゃん

後から詰めてくれた商品を見たら、全部女性物だった。僕の帽子を見て、そういう趣味の人だと思われたのかもしれない。

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赤い鞄をゲット!

さらに、別の赤い鞄もサービスしてくれた。

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完全に女性物の鞄

やっぱりそうだ。あのお店の人は、僕を「女装好き」と思ったのだ。
帽子のせいだろうか?

くじけそうになる気持ちをこらえつつ、引き続き赤い物を探す。

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赤い服発見!

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赤いトレーナー500円!!

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赤まむしの前で

これでインナーまでが揃った。あとは上着だ。
なるべく安く、温かい物が良い。

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またまた露店で赤いウインドブレーカーを発見

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駅伝?

どうやら駅伝大会のスタッフジャンパーらしい。値段を聞くと、「500円でいいよ」と言われた。安い。迷わず購入。店主さんと話が弾みかけたのだが、ここであまり長居をすると、また女性物をサービスされてしまうかもしれない。

お会計を済ませ、そそくさとお店を離れた。

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ほぼ全身が赤くなった!

かなり赤い。

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赤い貴族

残すは、メガネと靴であるが、どちらも金額がはってしまいそうだ。

どうしよう?

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100円ショップでサングラス発見

100円ショップで赤い縁のサングラスを見つけた。

女性物の帽子と組み合わせると、俄然怪しさが増してしまう。

買うべきだろうか?

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買った

赤は派手な色だ。ということに、ここまできて気づいてしまった。志茂田景樹さんのようでもある。

最終的に靴は諦めて、このスタイルで完成系とすることにした。
赤い長靴があったのだが、それを履いたら完全に変な人だと思われると危惧したのだ。


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【お参りします】

めでたく全身赤くなれたので、とげぬき地蔵でお参りだ。
これで今年一年、元気で過ごせることだろう。


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とげぬき地蔵でお参り

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頭よくなれ

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腰もよくなれ

お参りの写真を後から見直してる際に気づいたのだが、僕の様子を警察官が見ている。

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警察からのマーク

後から写真を撮ってくれていたスタッフに聞いたら、「ずっと見てましたよ」と言われた。

全身が赤いとやはり目立ってしまうようだ。

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書を売る露店発見

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書いてもらっているうちに人だかりが出来た

せっかくの記念なので、書をしたためていただいた。全身赤い男が書をお願いしている。相当珍しい光景だったのだろう。僕の周りに人だかりが出来てしまった。

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書いてもらった言葉は「赤」

以上、巣鴨でどんどん赤くなる、というレポートでした。

ちなみに、今回かかった費用は、

・帽子 1000円
・サングラス 100円
・マフラー 500円
・手袋 100円
・トレーナー 500円
・ズボン 350円
・鞄 500円
・上着 500円

合計 3,550円でした。

3,550円で全身赤くなれる街、巣鴨。
その思い出はプライスレスでした。


【おまけ】

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僕が老人になったらこういう顔になるそうです。iPhoneのアプリで作成しました。


(2010/2/8 住正徳)

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