普通のラーメンも好きだけど、つけ麺も好きだ。何故かといえば、つけ麺は猫舌な僕でもつるつる食べられて嬉しいからだ。最近は事務所の近所にある「唐そば」というラーメン屋さんのつけ麺にはまっている。一番少ない「並盛り」でも、麺の量が1.5人前ある。1.5人前もあるのに、つけ麺で食べるとちょっと物足りない感じがするから不思議だ。かと言って「大盛り」は麺が3人前もあるので食べきれない。2人前くらいがちょうどいいのに、といつも思う。いつか店員さんに提案するつもりだ。 唐そばの看板「最後の一滴まで美味しい」 唐そばの麺の量の話は置いといて、カップ麺である。麺とスープを別々に作って「つけ麺」として食べてみたらどうだろう? 美味しそうだし、食べ始めにむせなくて済む。カップラーメンを食べる時、いつも最初の熱気でむせてしまう。カップラーメンをすすりながらむせる38才の男。これはかなり惨めである。つけ麺にすればそんな姿をさらさずに済むのだ。更に猫舌にも優しい。良い事尽くめである。 やってみよう。 |
【でかまるを使って】 今回、つけ麺化を試みるのは「でかまるもやし味噌ラーメン」である。以前、「カップ麺、焼きそばとラーメンの麺を入れ替えてみる」という企画で「でかまる」の味を知って以来、気に入っているからだ。「でかまるもやし味噌ラーメン」は本当においしい。 でかまるもやし味噌ラーメン カップ麺のフタを開け、かやくやスープを取り出す。麺は麺だけで調理して、スープはスープだけで調理していくのだ。 容器からスープ類を取り出す スープ類 麺の中に乾燥したネギなどが混ざっていたので、それも>取り出した。 ネギも取り出して 麺だけの状態に これでカップ麺の「つけ麺化」の準備は完了である。 あとは、それぞれを調理すれば良い。 |
【スープは濃い目に麺は手際良く】 つけ麺の特徴はスープの濃さにあると思う。普通のラーメンよりも濃い目のスープに麺をつけて食べる。これが「つけ麺」だろう。 なので、「でかまる」のスープも濃くしなければならない。 普通にカップ麺として食べるために必要なお湯の量よりも少ないお椀一杯分の水で、「でかまる」のスープを作る事にした。 お椀一杯分で お鍋にお椀一杯分の水を移し、コンロの火をつける。 お鍋で沸かしていく もやしを入れて 粉末スープを入れて 液体スープは「召し上がる直前」まで入れない かやく、粉末スープをお椀一杯分の水に入れ、弱火でぐつぐつと煮込んでいく。 時間をかけて煮込んだ方が味が濃くなると踏んだのだ。 弱火で 沸騰してきた時点で一回味を見る。 味見 「味を見る」などと偉そうに書いてしまったが、僕は「でかまる」についていたスープ、かやくを煮込んだだけだ。味付けはしていない。正確には「スープの濃さ」を確かめただけである。 そして、結構良い感じの濃さであった。 ここに、液体スープを「召し上がる直前」に入れる訳だ。 本当のつけ麺のスープに限りなく近づきそうな予感がする。 よし、これでスープのメドはたった。 次は麺だ。 カップに熱湯を注いで3分待つ。 ティファールで沸かしたお湯を カップに注ぎ 3分待つ 3分後、麺をすばやくザルに移し、お湯を切っていく。手際良く作業をしないと、麺が伸びてしまう。 天空切りの要領で 麺のお湯を切る イメージは、高座渋谷にある有名なラーメン屋「中村屋」である。 行った事はないのだが、テレビで何度も天空切りの様子を見た事があって、恰好良かったからマネをしてみた。 天空切りでお湯を切った後は、水を流して麺をほぐしていく。 一気に水で冷やすことで麺がギュッとしまる、と思う。 水で流して麺をしめる 麺の用意が出来た頃、スープの方も完全に煮立った。 スープをお鍋からお椀に移し、「召し上がる直前」の液体スープを入れる。 スープをお椀にうつして 液体スープを入れる これで、カップ麺のつけ麺化は完了である。 スープと麺、それぞれの仕上がりは次のようになった。 スープ 麺 これは本当に「でかまる」なのか? と作った本人でさえも疑ってしまうほど、立派なつけ麺に見える。 絶対にいける。 この時点で僕はそう確信した。 食べます。 |
【カップ麺のつけ麺化、そのお味は?】 冒頭にお話しした「唐そば」はスープに柚子コショウを入れる。それが凄くおいしいので「でかまる」つけ麺バージョンにも、と思ったのだが、「でかまる」は味噌ラーメンである。柚子コショウよりも一味唐辛子の方が合いそうだ。 一味唐辛子を入れる事にした。 スープに一味唐辛子を入れて 麺を スープにからめて いただく うまい! むせない! 熱くない! 目論み通り、カップ麺のつけ麺化は大成功であった。 どうしてもっと早く思いつかなかったのだろう。もっと早くこの食べ方を知っていれば、カップ麺を食べる度にむせたりしなくて済んだのに。 グッジョブ! 大満足で「でかまる」つけ麺バージョンを食べている途中、これはこれで情けない姿なのでは? と思えてきた。自分なりの工夫?みたいな事が、人間の小ささ を物語っているようで、だんだん恥ずかしくなってきた。むせても気にせずカップ麺を豪快にすする。それくらいの男気があった方がいいのでは? そんな事を考えた、38才の冬の夜であった。 (2008/12/15 住正徳) |