16種類のお茶がブレンドされている「十六茶」、調べるとその発売は1985年にまで遡るらしい。シャンソン化粧品というメーカーが開発し、1993年にアサヒ飲料と提携した事で全国的にヒットしたのだという。十六茶の開発元が化粧品メーカーだったとは……。知らなかった。いずれにしても、十六茶はブレンド茶のパイオニア的な存在なのだ。(シャンソン化粧品の十六茶のページはこちら。http://chanson.jp/16.htm)←(16茶だからファイル名が16.htm) この、お茶をブレンドするという考え方を僕もマネしてみようと思った。 色々な日本茶を混ぜてオリジナルの十六茶をつくるのだ。 早速、お茶を求めてデパートに向かった。 |
【それにしてもお茶は高い】 デパートのお茶売り場で16種類のお茶を買い揃え、それを僕独自の配合でブレンドしていく。と、考えていたのだがそこには大きな問題が。お茶はとても高いのだ。100グラムで1000円越えは当たり前で、高級なお茶になると5000円以上したりする。そんな高いものを16個も買ったら大変な事になってしまう。5000円のお茶を16種類買ったら…、ざっと8万円になってしまい、それは貴族の飲み物だ。 1軒目のお茶売り場の前で、しばらく悩んでいるとお姉さんがお茶を入れてくれた。 お茶を煎れてもらいました 煎れたてのお茶がとてもおいしい。わざわざ混ぜなくても普通にお茶を飲んだ方がいいんじゃないか、と思えてしまう。いやダメだ。オリジナルの十六茶をつくる。それが今回の企画なのだ。 お店の人と相談して、100グラム500円近辺のお茶だけを購入する事にした。お店の人へは正直に「オリジナルで十六茶をつくりたいんです」と相談した。お店の人は「まあ、凄い」と驚いてくれて「うまくいくといいですね」と励ましてもくれた。 お店の人と相談 「ちなみに、うちで出している荒茶仕立煎茶は数種類のお茶をブレンドしたものですよ」 とブレンド茶も出してくれた。 ブレンド茶を 試飲 うまい。やはりブレンド茶はうまいのだ。 一度萎えかけた十六茶への情熱が再燃した。絶対につくる。そのためには500円くらいのお茶を16種類探さないといけない。 1軒目では7種類しか集まらなかった。 芽茶 茎茶 煎茶粉 番茶川柳 緑優 深蒸煎茶 初摘 |
【2軒目では鹿児島、福岡のお茶などを購入】 続いて2軒目でも安いお茶を探す。 2軒目は、茶釜で沸かしたお湯で煎れたお茶を試飲させてくれた。 茶釜でお湯を沸かしたお茶を いただく お茶売り場の人たちはみんな親切である。お茶の前で悩んでいると必ずお茶を煎れてくれるのだ。 静岡と鹿児島のお茶を飲み比べたりする。 飲み比べ こういう風にちょこっと飲むお茶はいつもよりおいしく感じる。そして思った。色々なお茶を少しずつ煎れてもらい、それを水筒に入れていったら…ただで十六茶が出来るんじゃないか、と。 いや、ダメだ。それはただの「ただ飲みの企画」である。 ちゃんと購入してオリジナルの十六茶を完成させよう。 鹿児島茶 八女煎茶(福岡県産) こんぶ茶 桜茶 おーいお茶 手軽に抹茶 2軒目では、6種類のお茶が揃った。こんぶ茶、桜茶など、味の幅が広がりそうなお茶が加わっている。これが吉と出るか凶と出るか。 それは誰にも分からない。 そして、あと3つで十六茶が揃う。 |
【3軒目でトリッキーなお茶と出会う】 3軒目のお茶売り場は「業務用お茶コーナー」と看板が出ていた。今までのお茶売り場とは商品ラインナップの様子が違う。めずらしいお茶が色々と並んでいるのだ。 業務用お茶コーナー お店のおばちゃんが熱心な方で、色々なお茶を薦めてくる。 熱心な店員さん 「黒豆ほうじ茶なんて若い女性に人気があるわよ」 とか、 「この『渋いち』は安いんだけどおいしいの。うちの工場の人たちを褒めてあげて」 とか、 安いけどおいしいお茶 最終的に、 「今日入ったカブがおいしいわよ、すぐに売り切れちゃうから買った方がいいわよ」 と、カブを推してきた。 僕が探しているのはお茶なのでカブは必要ないのだが、あまりの推しの強さに負けてカブも買ってしまった。 何故かカブも買ってしまった 更に、あと3種類買えばよかったところを、気付けば7種類のお茶を買っていた。 BR> 黒豆ほうじ茶 そば茶 ほうじ茶 はま茶 よもぎ茶 どくだみ茶 はぶ茶 きっと、最後の「はぶ茶」が気にかかると思うのでパッケージの説明を引用する。 「マメ科の1年草で「えびす草」と言い盛夏には黄色の花が咲き、細長いさやが出来ます。その中にアズキ半分大の種が並び、それを決明子(ケツメイシ)と呼び、炒ってお茶にしたものがはぶ茶です」 「さくら」のヒット曲を持つケツメイシのグループ名に由来する「決明子」を炒ったものが「はぶ茶」なのだ。毎日飲み続けると便秘が解消されるらしい。 そんな「はぶ茶」も含め、全部で20種類のお茶が揃った。 あとは、これらをブレンドしてオリジナルの二十茶を作るだけだ。 |
【みんな均等に】 とりあえず、買って来たお茶をそれぞれ大さじ一杯ずつ、机の上に並べてみた。 お茶20種類 お洒落な女性誌のお茶特集みたいだ。 これをどうやって配合したらいいのだろう? それぞれの味の特長を考えながら、量を調整していけばいいのか? いや、そんなこと出来る訳がない。 僕はお茶の素人だ。 面倒くさいので、全部同じ量で作ってしまおう。 みんな均等に。それが僕の二十茶のポリシーだ。 ええい! 入れちゃえ! いっぱいいっぱい 測ったかの様に、茶こしギリギリいっぱいだ。 ここに熱湯を注げば、二十茶の完成である。 お湯を沸かして 急須に注ぐ しばらく蒸してから、いよいよ二十茶を便秘へ。 熱いうちに試飲してみる。 試飲 ん? まず、ガツンとこんぶ茶の味がやって来た。というか、ほぼこんぶ茶の味しかしない。20種類も茶葉を混ぜたのに、こんぶ茶の味しかしないなんて。 こんぶ茶が失敗だったのか? いや、これは冷やして飲むべきなのかもしれない。 冷やそう。 2リットルのペットボトルに 水が入っていた2リットルのペットボトルの中に、二十茶を注いでいく。 1回では2リットルに達しないので、都合3回煎れた。 3回に分けて注いでいく あとはこれを冷やしていく。 冷えればきっと素晴らしい味に化けるはずだ。 冷やす 頼むぞ。僕の二十茶。 |
冷やす事2時間、ようやく冷たい二十茶が完成した。 2軒目で買ったカブと一緒にいただく事にしよう。 カブと二十茶 まずはカブを一口。 カブを食べて 凄い。かなりおいしいぞ。 あのおばちゃんが強く推していた意味が分かった。 これだけのカブは中々食べられない。 ここで「つめた~い」二十茶を飲む。 二十茶を飲む ん? …。 カブを食べよう。 カブがうまい いや、本当にこのカブはおいしい。そういえば、おばちゃんが「納豆に刻んで入れてもおいしいわよ」と言っていた。確かにうまそうだ。明日、試してみよう。 渋谷東急プラザの地下、業務用のお茶を売っているコーナーにあるので興味のある方は是非。 二十茶の味に関しては、ノーコメントでお願いします。 (2008/11/24 住正徳) |