先日、居酒屋で食べたシラスおろしがとてもおいしかった。箸休めというかお口直しというか、とにかく食事の途中で食べるシラスおろしはおいしい。そして、シラスおろしを食べながら思った。こいつらクネクネしてんなあ、と。みんな思い思いの恰好をしていて、まっすぐなシラスなんてほとんどいない。中には随分無理な姿勢を取っているシラスもいる。面白いので色んな姿勢のシラスを集めてみる事にした。 |
【まずはシラスを並べる作業】 スーパーでパック詰めのシラスを買って来た。香川産「白す干(上)」、81グラムで429円。高いのか安いのか良く分からない。 香川産のシラス81グラム そもそもシラスとは……、 「シラス(白子)とは、カタクチイワシ・マイワシ・イカナゴ・ウナギ・アユなど、体に色素がなく白い稚魚の総称。」 とウィキペディアに書いてあった。 そうか、シラスと言っても色々な種類がある訳だ。 今回僕が買ったシラスには「鰯(国産)」と書いてある。鰯の稚魚たちだ。獲られなかったら鰯になれたのに、申し訳ない。 申し訳ないけど、このシラスたちを一匹ずつ並べて、その中から面白いやつをピックアップしていく。大変そうだが、お米を1万粒数えたのに比べれば楽な作業だろう。お米を数えておいて本当に良かった。 シラスを潰してしまわないよう、ピンセットでつまんでいく。 この中から ピンセットで 一匹ずつつまんでいく シラスを一匹ずつ黒い台紙の上に置きながら、このシラスたちを背の順で並べるのはどうだろう、と思いついたがそれはあまりにも大変そうなのでやめといた。 どんどん並んでいくシラスたち 頭が欠けてしまっているシラスや、体が半分になってしまっているシラスは並べずに食べた。形が完全に残っているシラスだけを対象にする。 食べたり並べたり 作業を進めながら、シラスが意外と生臭い事を知った。作業中、ずっと匂っている。そして、形が不完全なシラスも意外と多い。しばらくシラスはいらない、ってくらい食べてしまった。 ひたすらに シラスを並べていく 結局、全部のシラスを並べるのに3時間くらいかかってしまった。お米を1万粒数えるのに費やした時間とそれほど変わらない。お米は生臭くなかったので、作業の辛さで言ったらシラスの方が上だ。不完全なシラスは僕の胃袋に収まっている。お腹いっぱいだ。 台紙の上に並んだシラス さあ、この中から面白い恰好をしたシラスを探していこう。 |
【面白い姿勢のシラスたち】 台紙の上のシラスたちから、面白い姿勢のシラスをピックアップした。 以下、シラスたちの自由っぷりをご覧いただきたい。 ゆるやかなV 激しくV 無理に反った姿勢で数字の6 C! アルファベットのoもしくは数字の0に限りなく近い がっくりと肩を落として ラッキー7 立位体前屈 クネクネ曲がってアルファベットのS 顔を持ち上げて立体的なSを表現 ねじれちゃいました 龍のごとく アーケードのように 合体 |
いつもはざっくりと束で食べているシラスであるが、こうして一匹ずつ見ていくと実は色々な形をしている事が分かった。 シラスの形は十匹十色である。 個人的には最後の「何とかまっすぐを保とうしているシラス」の健気さにグッと来た。強くなくても正しくきる。そんな彼の男気がビシビシ伝わってきた。 そして最後に、シラス文字で愛を伝える。
(2008/7/28 住正徳) |