ビジネスホテルに泊る機会が多い。仕事が遅くなって帰れなくなったり、出張だったり。ビジネスホテルにチェックインして缶ビールを飲み、ホッと一息ついてから有料チャンネルでハリウッド映画を見る。そんなリラックスタイムを心地よく演出してくれるのがホテルの寝巻だ。健康診断の時に着る服に似ているので最初は抵抗があったのだが、慣れてしまえばとても快適である。家でもあれを着て寝たいくらいだ。 今回は、ここ最近泊ったビジネスホテルの寝巻を紹介する。ホテルによって微妙に作りが違うので、この中から自分好みの1着を見つけていただければ幸いです。 |
【ほとんどのホテルがワンピーススタイル】 これから7つのホテルの寝巻を紹介するが、その全てがワンピーススタイルである。前をボタンでとめるタイプや腰のあたりを紐でしばるタイプなど微妙な違いはあるものの、上着とズボンが分かれているパジャマタイプを用意しているホテルは1軒もない。あらゆる体型の人にも対応出来る、という理由からだろう。ビジネスホテルの寝巻はほとんどがワンピーススタイルと言っても過言ではない。 以前、健康診断の際に検査衣に着替えて検査会場に出たら、看護婦さんから「ズボンを履いてください」と注意された事がある。ワンピースだと思って上着だけ着て出てしまったのだ。随分と丈の短い検査衣だなあと思いながら も、ワンピースだと信じて疑わなかった。ビジネスホテルの寝巻きに慣れたせいで恥ずかしい思いをした、というエピソードでした。 では、本題。 ビジネスホテルの寝巻を種類別にご覧下さい。 「2008春夏コレクション」 まずは、前をボタンでとめるタイプの寝巻から。 【コレクション1:ホテルメッツ】 ホテルメッツの寝巻はワンピースの前ボタン式だ。ボタンの数は5つ。これ以上多いととめるのが面倒臭いし、かと言って少ないと開けてしまう。ボタンは5つがちょうどいいのだ。 開衿タイプの衿はエッジに丸みを持たせて優しさを演出している。ステッチの濃いブルーによってシャープなシルエットを実現。 生地は格子柄のエンボス仕上げ。胸元のロゴをステッチの色に合わせ、トータルバランスを保っている。 【コレクション2:東武ホテル】 東武ホテルの寝巻も前ボタン式ワンピースである。生成り生地がソフトな印象を与えている。メッツ同様、ボタンの数は5つ。 ざっくりと開いたソリッドな襟元が特長。第一ボタンを外せばワイルドなスタイルを楽しむ事もできる。 生地はストライプのエンボス仕上げ。部屋の壁紙と同じ柄なので、一体感を感じながら眠りにつける。 【コレクション3:サクラフルール】 後ろのカーテンがやけにロマンチックである。このホテルは女性に人気があるようで、部屋のインテリアが全体的にこういう雰囲気なのだ。オッサンが一人で泊るようなホテルではないのかもしれないが、寝巻はやっぱり前ボタン式のワンピースであった。 メッツの寝巻とほぼ同じ作りであるが、ステッチの色が水色である。パステルカラーをあしらう事でロマンチックな部屋のムードを保つ事に成功している。 メッツ、東武ホテルと比べ、生地が薄い。気をつけないと透け透けのネグリジェのようになってしまうので注意が必要だ。 |
前ボタン式の次は、腰の横で紐を縛るタイプの寝巻である。甚平の上着が長くなったようなスタイルだ。 【コレクション4:スターホテル】 左前の羽織スタイル。内側と外側、それぞれ紐で縛る事で開けを防止する。左腰に大きなポケットがあり機能性が高い。しかし、このポケットに何を入れたらいいのかは分からない。 ざっくりと編み込まれたタオル地なので吸水性に優れ、着心地も快適だ。 ステッチの色と胸元のロゴを焦げ茶で統一。ホテルメッツのロゴとは違ってスターホテルは刺繍である。ディテールへのこだわりが感じられる。 【コレクション5:東急イン】 ホテル全体で「エコ」を謳っているだけあって、寝巻もグリーンを基調としている。甚平スタイルだが結び目の位置が若干高いので結びづらいのが特長だ。 グリーンベースのギンガムチェック柄により「地球への優しさ」をアピール。薄手の生地を使用する事で通気性を確保している。 【コレクション6:チサンホテル】 パッと見、白装束のように見えるほど無駄な物を一切排除したシンプルな寝巻である。とはいえ、スターホテル同様、大きなポケットは付いている。つまり、ポケットは無駄じゃないのだ。例えばテレビのリモコンをいれるなど、その用途は工夫次第で無限に広がる。 生地の材質はほぼスターホテルの寝巻と同じである。薄手のタオル地。背中が痒い時など、これを着て壁で背中をスリスリすると気持ちがいい。 |
最後の寝巻は浴衣である。温泉旅館のように浴衣を用意しているビジネスホテルも割と多い。 【コレクション7:ホテルサーブ】 帯の締め方はこれで良かったのだろうか。 白地に紺の模様をあしらって日本の夏を表現している。 デザイン性を追求し、ロゴを上下反転させて配置。日本の夏を表現している。 |
以上がビジネスホテルの寝巻たちであった。 この中で、廊下で人に会ってしまった時に一番恥ずかしいのは、前ボタン式のワンピースだと思う。彼氏のパジャマを借りて上だけ着ている彼女みたいだけど中味はオッサンだからだろう。出張先で前ボタン式を着て部下と鉢合わせ、みたいな事態は避けたいものですね。 (2008/7/21 住正徳) |