スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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ここのところ、連日に渡って深夜作業が続いている。事務所の移転、年度末、諸事情。色々な事が重なってしまったので仕方ない。しかし、僕も30代後半だ。20代の頃のように無茶がきかなくなってきている。疲れが取れないのだ。このままずっと事務所に詰めていたら体を壊してしまう。リフレッシュが必要だ。


深夜まで作業が終わらない

幸いな事に、新しい事務所の隣りにはホテルがある。そこに泊れば少しはゆっくり出来そうだ。通勤時間を考えなくていいし、お風呂につかる事も出来る。そうだ、今夜は隣りのホテルに泊る事にしよう。





【なぜ制限時間が3分なのか?】

深夜作業も一旦区切りがついた。今夜は隣りのホテルでゆっくり休んで明日に備えよう。事前に予約もしておいた。一刻も早くチェックインしたい所であるが、その前に、ホテルの隣りのコンビニで夜食を買う事にした。夜中の3時まで夕飯を食べていなかったのだ。さすがにお腹が空いた。しかし、その夜食が僕に時間制限をもたらす事になる。

何故か?



ホテルの隣りのコンビニで夜食を買う

これからホテルにチェックインする事をすっかり忘れて、ペヤングカップ焼きそばにレジ横でお湯を入れてしまったのだ。

お湯の入ったカップ焼きそばを持ったままホテルに移動してチェックイン処理をしないといけない。焼きそばが出来上がる時間は3分。3分以内にチェックインを済ませてお湯を捨てないと大変な事になる。

ああ、何でお湯を入れてしまったのだろう…。



ついつい


ホテルにチェックインする事を忘れ


お湯を


入れてしまった


悔やんでる場合ではない。制限時間3分以内に部屋に入りお湯を捨てる。それが僕に課せられたミッションだ。

とにかく急げ。


急いでコンビニを出る

コンビニからホテルの玄関まで、距離にして約50メートル程度。小走りで行けば10秒もかからずに行けるはすだが、右手には焼きそばを持っている。走ったらお湯がこぼれて手を火傷してしまう。神経を焼きそばに集中させ、なるべく急いでホテルに向かう。


ホテルエントランスにさしかかった


二重扉をくぐって中へ

初めて泊るホテルである。中の構造が分からない。フロントはどこだ?

キョロキョロと辺りを見渡してフロントを探す。5秒ほどのロスを経て、奥の方にフロントらしき場所を見つけた。入り口からかなり遠い。コンビニからホテルくらいの距離があるように見える。

急がなくては。


フロントは奥


焼きそばをこぼさないよう、慎重に急ぐ


フロントに到着

フロントに着くと奥からホテルの人が出て来た。この時、時刻はすでに深夜の4時近く。こんな時間にチェックインするお客なんてまずいないだろう。フロント の人も少し戸惑っているように見える。いや、戸惑っているのは時間のせいではなく、片手に焼きそばを持っているからかもしれない。

宿泊カードに名前、住所、電話番号を書き込む。気持ちが焦っているのでいつも以上に字が汚い。


宿泊カードに個人情報を書込む


そして焼きそば

宿泊カードをフロントに渡し会計にうつる。夜中4時のチェックインでも通常通りの料金を支払わないといけない。交渉すれば少しはディスカウントしてもらえたかもしれないが、今の僕にそんな時間はない。クレジットカードの認証やら何やらでフロントの人がまごまごしている。フロントに到着してから1分以上が経過している。早くしないと焼きそばがふやけてしまう。


会計処理に時間がかかっている


残り40秒弱!

何とか会計処理が終わり部屋のキーを受け取った。コンビニを出てから既に2分23秒が経過している。残り時間は40秒もない。


急いでエレベータに向かう。


エレベータで上に

僕の部屋は4階。残り時間は30秒弱。
4階まで上がって部屋に入りお湯を捨てる。これを30秒以内でやりきれるだろうか。

エレベーターがいつもより遅く感じる。


部屋は4階


着いた!


部屋に急げ

4階に到着した時点で残り時間は18秒。
迷わず部屋の前に到達する事は出来たが、その時点で残り時間は10秒を切った。

急げ俺。



カギで手間取って3秒のロス


部屋に入って残り7秒!

コートを脱いでいる暇はない。
洗面所に直行だ。


湯切りの爪をあげるのに手間取る


ああ、時間がない!早く爪を

カップ焼きそばの爪で4秒使ってしまった。
残り時間はあと1秒。

早くお湯を捨てなくては。



お湯を捨てる

コンマ02秒遅れたが、ほぼ3分ジャストでお湯を捨てる事に成功した。
これで制限時間3分のミッションは完了だ。

最初は無謀な試みだと思っていた。途中、何度もあきらめかけた。

それでも、人間、やってやれない事はない。自分で自分を褒めてあげたい気持ちでいっぱいだ。

ソースとスパイスをかけてかき混ぜる。
いつもよりおいしそうに見えるのは気のせいだろうか。



ソースとスパイスをかけて


かき混ぜる

焼きそばを一口すすった。
やっぱりいつもよりもおいしかった。





今回のミッションに再び挑戦したとしても成功する確率は極めて低い。では、次回以降、どうすればいいのか?
ホテルの部屋には大抵ポットが常備されているので、部屋でお湯を入れればいいのだ。



部屋でお湯を入れましょう


(2008/3/10 住正徳)

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