スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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先日、いつものようにアフタヌーンティのひとときを楽しんでいた時のこと、ティーバッグをカップの中でチャポチャポさせながら、ふとひらめいた。お湯が段々と紅茶色に染まっていくあの感じ、お風呂で再現出来ないだろうか。大きなティーバッグを作り、それを湯船の中でチャポチャポさせるのだ。ちょっと贅沢な紅茶風呂。試してみた。





【ティーバッグを300個使う】

お風呂サイズのティーバッグを作るには、普通のティーバッグが何個必要なのか。まずはその計算から始めた。通常、紅茶のカップは200cc程度、それにティーバッグを1個使うとする。という事は1リットルのお湯を紅茶化するにはティーバッグが5個必要ということで、うちの浴槽には200リットルのお湯が入るので……、1000個のティーバッグが必要だ。1000個とはまた、ちょっと多過ぎる。考えてみればティーバッグ1個で3杯くらいは飲めるので、300個くらいあればなんとかなるような気もする。

という訳で、ティーバッグを300個用意した。



リプトン ブリスクティーバッグ300個


スーパーの特売でリプトンのブリスクティーバッグが安かった。100個入りで598円である。今回の紅茶風呂にはこれを使う。パッケージでダンディに微笑むのはサー・トーマス・リプトンさん、リプトンブランドの生みの親である。

このティーバッグを1個ずつ剥いていく。



ティーバッグを剥いていく


ひたすら


剥いて


300個


30分ほどで300個のティーバッグを剥き終えた。300個といえば、およそ1年分であろうか。それをすべて使ってしまう訳なので、やっぱり贅沢なお風呂である。川島なお美さんでお馴染みの「ワイン風呂」のようなものであろうか。花びらが浮かんでそうだ。



贅沢なお風呂のイメージ


さあ、次の工程だ


続いて、300個分の茶葉を収納出来る大きなティーバッグを作る。
水に強く、更にろ過力に優れた素材は何か。

僕が選んだのはクッキングペーパーの「リード」である。



リードって便利だな


リードをつなぎ合わせて大きなティーバッグを作る。片面6枚、両面で12枚のリードをボンドで接着して大きな袋にする。



ボンドで接着


全部で12枚のリードで大きな袋にする


最終的にホッチキスで補強して大きな袋が出来上がった。

これに、さきほど剥いたティーバッグの中味だけを移していく。ティーバッグを切り裂き、茶葉だけをリードの袋に流し込む。地道な作業である。



ティーバッグの茶葉だけを


大きな袋に流し込む


それを300回繰り返す


この作業に1時間以上かかってしまった。

途中、別に大きなティーバッグを作らなくても、剥いたティーバッグをそのままお風呂に入れればいいんじゃないか、とも思った。しかし、今回の目的は湯船で大きなティーバッグをチャプチャプさせる事にある。そのためにはこの作業を省く訳にはいかないのだ。



がんばりたまえ


サー・トーマス・リプトンさんからの励ましもあり、なんとか300個のティーバッグを1つにまとめる事が出来た。



300個分のティーバッグ


これが300個分のティーバッグを1つにまとめたお風呂サイズのティーバッグである。左下に通常のティーバッグを並べている。お風呂用ティーバッグの大きさを実感していただきたい。

また、チャプチャプさせる為に必要な四角い紙の部分にもこだわって作成した。



通常のチャプチャプ用四角い紙


お風呂用には100個パックのパッケージ部分を使用





【お風呂でチャプチャプさせる】

お風呂用ティーバッグの用意は出来た。あとは湯船にお湯をはり、チャプチャプさせるだけである。



湯船にお湯をはる


本来、紅茶をおいしくいれるためには熱湯を注ぐ訳であるが、熱湯を200リットルも用意する事はむずかしいし、何より、そんなお風呂には入れない。

温度設定を一番熱くして蛇口をひねった。
お湯の温度は、約55℃である。



55.3℃


湯船に8割りほど溜まったところで、いよいよ待望のチャプチャプだ。
お風呂用ティーバッグを湯船に落とす。



湯船にイン


お、紅茶がにじみ出てきた


どんどん出てくる


55℃のお湯でも紅茶はどんどん出てきた。想像以上である。
嬉しかったので、チャプチャプの速度を上げていった。



チャプチャプ


チャプチャプ


あ…


調子に乗ってチャプチャプしていたら、リードが破けてしまった。茶葉が排水溝に詰まってしまったら大変だ。大家さんに怒られてしまう。湯船に茶葉が落ちてしまわないよう、洗面器でティーバッグをすくった。

この時点でチャプチャプタイムは終了したが、湯船のお湯はすっかり紅茶色に染まっていた。



紅茶風呂


早速、この贅沢なお風呂に入りたいところであるが、お湯の温度は55℃である。とても入れる温度ではない。

少し冷ましてから入る事にした。



紅茶風呂を味わう


30分ほど冷ましてから、ゆっくりと紅茶風呂に浸かった。大きなティーバッグを作る作業で疲れた体を、紅茶の香りがやさしく癒してくれる。手にお湯をすくい口に含んでみた。普段飲んでいる紅茶より若干薄いが、確かに紅茶の味がする。

1年分のティーバッグを使った贅沢な紅茶風呂。皆さんも是非、お試……さないですよね。


(2008/2/4 住正徳)

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