今年もあと24時間で終わる。あんな事とかこんな事とか、色々な事があった1年であった。例えばそう……、あれとか…、これとか…。うーん、振り返ってみようと思ったのだが、具体的な出来事が浮かんでこない。浮かんだとしても、それが今年の出来事である自信がない。そんな事だから、同じような失敗を繰り返してしまうのだ。キチンと1年を振り返り来るべき新年に備えるべきなのではないだろうか。是非、そうしよう。 そこで、日本漢字能力検定協会が毎年発表している「今年の世相を表す漢字」に習って、自分なりにこの1年を漢字1文字で表してみようと思った。 |
【サヨウナラ2007年】
前述の日本漢字能力検定協会が発表した2007年の漢字は「偽」であった。食品偽装にねつ造問題、汚職の発覚などで揺れた2007年だ。そんな世相を端的に表している1字といえよう。今回は個人的に1年を振り返る訳で、僕の1年に偽りはなかったと思っている。いや、そう信じたい。なので「偽」は僕の2007年を表す漢字ではない。 さて、僕の1年をどんな漢字で表したらいいものか。 じっくり振り返っていこう。 まずは道具を揃えました 「今年の漢字」の発表は清水寺にて行われる。貫主が巨大な半紙に「今年の漢字」を書くのだ。あれと同じようにドカーンといきたい ところであるが、僕が揃えられる道具には限界があった。大きいんだけどあまり高くない筆。そういう条件のもと、お店の人が選んでくれた筆は、「玉芳錦」の 9号、税込で3675円だ。 筆の他に、硯、墨汁、下敷き用にフェルトのマット、そして書道用紙も用意した。 筆おろし 事前準備として、「玉芳錦」の筆おろしが必要だ。毛の部分が糊で固まっているので、ぬるま湯で流しながら指でほぐしていく。毛の部分はデリケートなので優しくしなくてはならない。 ハンコを彫る また、書き上がったものがそれっぽく見えるよう、ハンコを用意する事にした。ハンコ用の石に彫刻刀で「住」と彫っていく。この時、「住」の文字を反転させて彫らないといけないので注意が必要だ。 |
【今年の漢字を公園で書こう】
公園で 書く 事前準備は整ったので、公園にやって来た。今年1年を振り返るにあたり、外の空気に触れる事が大切だと思ったのだ。部屋の中で悶々と考えてもいい漢字は浮かばない。 振り返る…… 今年1年、どんな事があっただろう。 1月からの出来事を頭に思い浮かべ、それを漢字1文字で表してみる。 1月は寒かったから「寒」かなあ、2月はもっと寒かったから「凍」とか。3月あたりは花粉症の症状が辛かったので「涙」で……。 ダメだ。天気とか体調の事しか浮かんで来ない。そういう事ではないはずだ。今年1年を象徴する漢字。 えっと 何があったけなあ… 体を動かしてみてもインスピレーションは沸いてこない。 膝が 交差して 見えますか? そうだ! 今年1年、割と忙しく精力的に仕事をしてきたように思う。 その辺りのニュアンスを表す漢字といったら、アレだろう。 よし、あの字でいこう。 漢字が決まったので 思いの丈を 漢字1文字に託していく 力強く、一気に筆を動かした。 2007年の僕を象徴する漢字、それは…… 「力」です そう、「力」。パワフルに活動した1年であった。 しかし、 なんかまずいな 僕の1年を象徴する「力」であるが、なんだかまずい予感がする。これに似たような書を最近ニュースで見かける。 どうしよう? 書き足そう 「力」は色々と問題がありそうなので、書き足して文字を変える事にした。 書き上げたら ハンコを押して 僕の1年を象徴する漢字、それは…… 「刃」です と思ったのだが、上が飛び出ているので「刃」にはならず、「そんな字ねえよ」というものに仕上がってしまった。 最近は手書きで文字を書く機会が減ってしまい、何かと漢字を忘れがちである。 1年を象徴する漢字を考える前に、もっと漢字の勉強をしないといけない。 それが、来年の抱負でございます。 という訳で、今年1年、お世話になりました。 来年もどうぞよろしくお願い致します。 (2007/12/31 住正徳) |