カップきそばが 好きだ。焼いてないのに焼きそばソックリな味がするなんて凄いと思う。でも、お湯を捨てる時にシンクがボンッと鳴るのはいただけない。びっくりしてしまのだ。驚きのあまりカップを放り投げてしまいそうになる。まあ、あの「ボンッ」はカップ焼きそばのせいではなく、どちらかというとシンクの方に責任がある訳であるが、水を流してもボンッて鳴ったりしないので、犯人はお湯だ。お湯がシンクをボンッていわせてるのだ。お湯め。 一体、どれくらいの温度でシンクがボンッて鳴り始めるのだろうか。気になったので調べてみた。 |
【カップ焼きそばの容器を使って検証する】 ペヤングやきそば 数あるカップ焼きそばの中でも、僕はこのペヤングやきそばが一番好きだ。1975年に発売を開始して以来続くロングセラー商品である。今まで、ずっとペヤングが会社名だと思っていたが、製造・販売元はまるか食品というらしい。知らなかった。 これがうまい ペヤングのうまさは、このふりかけとスパイスにあると思う。特にふりかけに入っている紅ショウガがうまい。忘れた頃にチラッと現れる紅ショウガ。あれがたまらない。スパイスやふりかけについて、もっと詳しく知りたかったのでペヤングの公式サイトを訪れてみたが、工事中であった(ペヤング公式ページ)。残念ではあるが、ペヤングのうまさについてはまた改めて検証したいと思う。今回の検証はペヤングの中味ではなく容器の方に用があるのだ。 ボンッと鳴る温度を測る装置 シンクがボンッと鳴る温度の検証方法は以下の通りである。 1.ペヤング一杯分の水をナベに移し火にかける。 2.温度が40℃になったらナベからペヤングの容器に水を移す。 3.湯出口からシンクに流す。 4.そこでシンクがボンッと鳴ったら10℃下げて、もし鳴らなければ10℃上げて同じ作業を繰り返していく。 以上のように、シンクがボンッと鳴る温度を10℃刻みで割り出していく作戦だ。 点火! まずは、水の温度が40℃になるのを待とう。 |
【温度調節って難しい】 きっかり40℃から検証を始めたかったのだが、これが中々難しい。水の量が少ない事もあり、うっかり熱し過ぎるとすぐに50℃を越えたりする。火をつけたり消したりして微妙な温度調整を繰り返し、ようやく39.8℃の水を作った。大体、入浴温度くらいだろう。 【40℃】 ほぼ40℃ この水をペヤングのカップに移す 湯出口からシンクに流す ここで、わずかなボンッも聞き逃さないよう、ビデオカメラを回した。ボンッの決定的瞬間を音と映像で収めるのだ。
すべての水を流し切ってもボンッは聞こえなかった。
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【水で冷やす】 水で冷やす ここから10℃ずつ温度を引き上げていく訳だが、検証と検証の合間に水を流してシンクを冷やす事にした。シンクが温まってしまっては、正確な検証が出来ないと思ったからだ。 【50℃】 引き続き、50℃のお湯で検証する。 ほぼ50℃ 50℃まで上がると手を突っ込むのをためらうくらいの熱さになってくる。バラエティ番組に登場する熱湯風呂>はこれくらいの温度だろうか。こんなのに裸で入るなんて大変な事だ。
すべての水を流し切ってもボンッは聞こえなかった。 こちらもシンクからの反応はなし。熱湯風呂程度の温度ではボンッとは鳴らないらしい。
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【60℃】 更に10℃引き上げて60℃である。ここに来てキッカリ60℃のお湯を作る事に成功した。作業を繰り返すうち、温度調整のコツが掴めてきたようだ。 キッカリ60℃ シンクに流す。
ここでついに動きが見られた。お湯をすべて流し切ってから9秒後、シンクがボンッと鳴った。シンクが鳴る温度は60℃、とここで結論づけても良い。しかしどうだろうか。流し切って9秒後だと、通常はシンクの前にいない可能性が高い。テーブルでソースやスパイスを混ぜている時間帯である。ソース混ぜに夢中になってボンッに気付かない可能性が高い。 もう少し検証を続ける事にした。 お湯を流している最中にシンクがボンッと鳴る温度。そこを探る。
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【70℃】 温度調整のコツが掴めた、などと言ってしまったが70℃キッカリは作れなかった。コンマ2℃オーバーである。 ほぼ70℃ まあ、細かい事は気にせずにほぼ70℃のお湯をシンクに流す。70℃までくると相当熱く、ナベからペヤングの容器へお湯を移す時に湯気が立つ。
更にアクティブな動きが見られた。流し始めてから6秒後に小さく1回、さらにその10秒後に大きく1回、シンクがボンッと鳴った。まさにこの感じだ。カップ焼きそばを作っている時、突如僕を襲うシンクの音。このボンッにいつもビクッとさせられるのだ。 映像を見ると、2回とも僕がひるんでいるのが分かる。検証と分かっていても、あの音には驚かされてしまうのだ。
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【沸騰】 最後に沸騰しているお湯を流した場合はどうなるか。せっかくなので検証してみた。 沸騰! 沸騰したお湯をシンクに流す。
沸騰したお湯を流した場合、70℃の時と同じように2回ボンッと鳴った。しかし、その音量に変化がみられる。最初のボンッは流し 始めてから11秒後、70℃の1回目よりかなり小さい音である。あまりの熱さにシンクがリアクションに困っているのかもしれない。そして2回目のボンッは その7秒後、今までにない大音量でボンッ鳴った。映像では伝わりづらいかもしれないが、現場ではかなりの音量であった。それはまるで熱湯を流した僕に抗議 しているかのようでもあった。「殺す気か!」と。
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以上でシンクがボンッと鳴る温度の検証は終了である。室温の違いやシンクの大きさの違いによって多少の誤差はあるかもしれないが、大体の目安とはなるだろう。70℃のお湯を流すとシンクが2回鳴る。今後のカップ焼きそばライフの参考としたい。 (2007/11/19 住正徳) |