スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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【開店準備】

大好きな回転寿司に敬意を表して本格的に準備を整えたい。
そこでまず用意しようと考えたのは、寿司職人の格好だ。ねじりはちまきに白い割烹着、腰には腹巻きを巻いている。ほぼ「ど根性ガエル」の梅さんのイメージであるが、お寿司屋さんといったらそのスタイルと僕の中で相場が決まっているのだ。

若い方で「ど根性ガエル」なんて知らない、って人がいましたら、下記のページの「梅三郎」をご参照ください。

「ど根性ガエル」の版権元のサイト

そんな梅さんスタイルを真似る為、六本木のドン・キホーテーに向かった。六本木ドンキの6階はコスプレグッズが充実しているのだ。きっと梅さんスタイルだって売っているに違いない。



どじょうすくいセットしかない


しかし、いくら探しても梅さんセットは見当たらない。最悪、梅さんでなくても寿司職人的なものがあれば、と思ったのだがそれもない。結局、ドンキにあった中で一番梅さんのイメージに近かった「どじょうすくい」セットを購入する事にした。手ぬぐい、着物、帯、ステテコ、ザルがセットされて6990円である。手ぬぐいを頭からかぶらず、ねじりはちまきとして使用すればかなりイメージに近づけるはずだ。鼻に刺す串はセット内容に含まれていないので注意が必要であるが、僕は寿司職人を目指す訳なので問題ない。



お皿を調達


梅さんスタイルの目処がたったので、次はお寿司を乗せるお皿を100円ショップで探した。回転寿司屋さんはネタの値段によってお皿の色を変えているが、さすがにそこまでの準備は出来なかった。なるべく和風でお寿司を乗せても違和感のないお皿を選ぶ事にした。そして、なんとなく実家っぽいお皿が7枚揃った。



寿司を調達


さあ、開店準備も大詰めだ。寿司の仕入れである。築地市場に行って新鮮なネタを…、と行きたいところであるが、僕にはお寿司を握る技術がない。六本木駅前 の「すし好」さんでお土産用のお寿司を握ってもらった。一番お得なセット、と店員さんが勧めてくれた「すし好セット」を1人前。新鮮な握りが10貫入って 2100円である。生ビールをいただきながら出来上がるのを待つ。



すし好の梅さん


10分ほどでお寿司が出来上がった。折り詰めに入ったお寿司。酔っぱらったお父さんの定番アイテムである。これを紐でぶら下げて千鳥足で歩く。実際にそんな酔っぱらいを見た事はないが、今度、そういうお父さんを探せっていう企画もいいかもしれない。



公衆トイレで着替え


六本木から麻布に場所を移した。麻布に目星をつけた立体駐車場があるのだ。

駐車場の近くにある公衆トイレで梅さんスタイルに着替える事にした。



仕事に向かおう


着物の袖を肩までまくりあげる反町スタイルである。これをまくりあげないと振り袖がヒラヒラしてしまい、一気に「どじょうすくい」になってしまうのだ。この時点で時間は深夜の2時。肩を出して歩くには若干肌寒い時間帯であるが、いなせな寿司職人は寒さなんて感じないのだ。深夜に行動しているのは、駐車場の出入りの少ない時間帯を狙ったからである。





【いざ、回転】


目星をつけた立体駐車場



操作パネル


この立体駐車場はすべての操作がセルフサービスなのだ。ターンテーブルの操作パネルを自由に触る事が出来る。

ここで回転寿司屋をオープンさせるのだ。

いくら深夜とはいえ、突然車を入れに来る人がいるかもしれない。ここからは手際良く作業を進める必要がある。



折り詰めから寿司を取り出し



お寿司をお皿に乗せていく



お皿をターンテーブルの縁に



等間隔で



並べて



いく


麻布という土地柄から、この駐車場への出入りは高級車の多い事が予想される。中には怖い人もいるかもしれない。この状況でそんな人がやって来たらどうしよう。「へいお待ち!」と、トロを差し出したら許してくれるだろうか。きっと許してくれない。

ドキドキしながら急いで準備を整えた。 そして遂に、立体駐車場で回転寿司を試す時が来た。



ようこそ、寿司「立体」へ


ターンテーブルに並んだ寿司を見下ろしながらスイッチを押す。 ギュイイイインというモーター音と共に、ターンテーブルが回転を始めた。



動画:立体駐車場で回転寿司


おお!
寿司が回っている!

普段は車を乗せて回転しているターンテーブルの上に寿司が。その感動的な姿にしばし見とれてしまう。



至近距離で見ると割と速い



動画:お客さん目線


普通の回転寿司よりも速いスピードで回転しているようだ。お子さんや年輩の方にはちょっと厳しいスピードであるが、せっかちな人にはちょうどいい速さである。



しかし気付いた


何周か寿司を回転させているうちにある事に気付いた。お客さんが地べたに座ってお寿司を食べなくてはいけない。ターンテーブルの位置が低いので仕方ないのだが、ターンテーブルを操作する僕の姿がとても偉そうなのだ。上からお客さんを見下ろす格好になっている。

そんな事ではいけない。
お客様あっての寿司「立体」である。

お客様と同じ目線で接客する事にした。



動画:接客第一主義


偉そうな感じはなくなったが、職人まで一緒になって回る必要はなかったかもしれない。こんな回転寿司は嫌だ。



ご来店お待ちしております


(2007/10/15 住正徳)

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