スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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【予想してみる】

実際に麺の長さを計測する前に、毛糸を使って大体の長さを予想してみる事にした。カップヌードルの容器に収まる量の毛糸を用意して、その長さから麺の長さを予想する訳だ。

カップヌードル

カップヌードルの容器のサイズは、上部の直径が95ミリで底の直径は68ミリ、高さは105ミリであった。
このサイズにピッタリ収まる毛糸の玉を探しに、東急ハンズに向かった。

東急ハンズの毛糸売り場にて

毛糸の事など何も分からないので、店員さんにちょうどいい大きさの毛糸玉を見繕ってもらう事にした。もちろん、カップヌードルの容器に収まるサイズを探し ているとは言っていない。言っていないが、玉の大きさで毛糸を探す客はあまりいないらしく、何を編むつもりなのかしきりに聞かれてしまった。何かを編むつ もりなどないので返答に困り、思わず「チョッキを編みます」と答えた。チョッキならばやはりウールがいいでしょう、とウール100%の毛糸玉を薦められ、 その中からカップヌードルの大きさにちょうどいいものを選んでもらった。

カップヌードルサイズの毛糸玉

これがカップヌードルサイズの毛糸玉である。なんと長さは90メートル。つまり、カップヌードルの容器には、90メートル分の毛糸を収納するキャパシティがある訳だ。もう少しで100メートルに届いてしまう。なんだか凄い。

ってことは、麺も90メートルあるのだろうか?

毛糸での長さを知るまでは、せいぜい10メートル程度だろうと予想していたのだが、90メートルという数字がはじき出されてしまい、全く分からなくなってしまった。一体あの容器の中にどれだけの麺が入っているというのか。未知なる世界への期待と不安が高まる。





【1本ずつ計測】

いよいよ計測していく訳であるが、その方法は至ってシンプルだ。まずはカップヌードルを作って麺だけを取り分け1本ずつ定規で計っていく。全部で何本あるかは分からないが、すべての麺の長さを合算すればカップヌードルは何メートルあるのか、その答えが分かる寸法である。

麺だけを取り分け

1本ずつ

定規で測り

値をエクセルに入力していく

もちろん、計測が済んだ麺はその場で食べる。1本ずつ、「ああ、これは37センチの麺だ」と意識しながら食べるのだ。そんな経験は生まれて初めてである。

エクセルに長さを入力していくと徐々に数字が積み上がっていく。その長さ分、僕の胃袋にもカップヌードルの麺が入っているのだ。なんだか感慨深い。

50本経過

麺は柔らかいので慎重に測らないとすぐに切れてしまう。とはいえ、ある程度力を入れて麺を伸ばさないと正確な数値を測れない。その力加減が難しく、思ったよりも面倒臭い作業であった。50本測るのに30分くらいかかっている。それでもまだこんなに残っているのだ。

先が思いやられる。

100本経過

100本を過ぎてもまだこの量だ。作業開始から既に1時間が経過している。終わりの見えない作業に段々飽きてしまった。時間が経ったからなのか、麺の強度が弱くなっているようなのだ。まっすぐ伸ばそうとすると、すぐにプチンっと切れてしまう。ああ、イライラする。

二股に分かれた麺が登場

そんなイライラを助長するかのように、たまに先っちょが2つに分かれている麺が出て来るのだ。どうやって測ればいいのだろう。2つとも測って長さを合計するか、長い方だけを測るか。3秒考えて長い方だけを測る事にした。2つ測るのは面倒だからである。

僕は何をやっているのだろう

150本経過

150本をこなした。麺は相変わらず切れるし、手はベトベトするし、1本ずつ食べているので変にお腹がいっぱいになるし。とても辛い修業のようだ。

短いのが残った

最後に細かい麺たちが残った。どれも2センチから5センチ程度の麺ばかりで、面倒臭さに拍車がかかる。それでも、「カップヌードルは何メートルあるか?」それを知りたい一心で頑張った。ゴールはもう近い。





そして作業開始から1時間40分、遂に全部の麺の長さを測り終えた。 その結果が以下である。



結果:カップヌードルは全部で59.82メートル。

毛糸玉の90メートルには及ばなかったが、当初の予定よりははるかに長い。平均値は30.8センチで、「うどん一尺(30センチ)、そば八寸(24センチ)」という諺のうどんの長さに近い数字であった。30センチ程度が食べやすいという事なのだろう。最頻値は37センチの29本。1時間40分かけただけあって、カップヌードルの色々な事が分かった。

それにしても、カップヌードル1食で60メートルもの麺を食べていたなんて、思ってもみなかった。





次週予告。 「ビッグカップヌードルは何メートルあるか?」



いや、嘘です。


(2007/9/24 住正徳)

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